建築工法は伝統的な在来工法にこだわっています・・・
輸入住宅に多い、2×4住宅は地震に強いかも知れませんが、構造上日本の湿気の多い中で三十年、五十年とはもたない気がします。
日本の高温多湿の気候風土で耐久性の高い家はやはり柱と梁でくみ上げる伝統工法(在来軸組み工法)がいいと思います。しかも、集成材で建てるんじゃなくて、本物の無垢材・・・
武道館って約5年前に建てられたんですが、外部の集成材の柱の変色具合なんて見てると、正直大丈夫なのかな?って、もちろんそこらへんも考えて設計してると思いますが、あの建物が果たして百年持つのかなとは疑問に思ったりします。維持管理のお金もたぶん莫大・・・
どんな優れた工業製品でも自然の素材には勝てない部分がある。それが耐久性じゃないかと思います。あんまりここら辺を話すとお叱り受けるんですけど・・・
最近は家を建てる法律も厳しくなって、何でも計算が必要。確かに構造計算は必要です、しかし何もかも計算だけに頼るのも危険。それは建築では、最初に計算しますが、計算した人(設計)と建てる人(大工さん)が違うのと扱う材料のバラつきや気温などの外的な影響を強く受けるものもないと思ってます。だから伝統工法で無垢の柱を使う。これが大前提。そして味付けは現代風。いくら在来工法が耐久性の上で良いとしても、生活しにくい家は長く住めない。昔の家は客間を中心とした間取り、今はリビングが中心。和風の家も良いけど、僕は洋風の家が好き・・・だから自分が住みたい家を設計してしまう。僕が六十歳ぐらいになれば、和風の家を設計しているかも知れませんが、今はプロバンス風のラフなイメージが好き、そして古材などの自然素材も良く合うんです。木は見てるだけでも癒される・・・日本人のDNAにきっと木が好きなのは刷り込まれているんでしょうね。
ちなみにコンクリートの家が長持ちするって思われている方も多いですが、コンクリート住宅の耐用年数は三十五年ぐらい。日本最古の木造建築法隆寺は1300年・・・いかに自然素材が長持ちする素材であるかということじゃないでしょうか?
私が家を建てさせて頂く場合、窓や内部建具、フローリングや照明器具などの部材をカナダから輸入して使っています。例えば照明器具・・・日本製はプラスチックで出来ている物が多いのですが、カナダにはありません。ほとんどガラスと鉄で作られたものばかりです。プラスチックで出来たものは経年変化でどうしても最初透明だった部分が黄色く変色して割れやすくなってしまいます。これは材質の特性上仕方が無いことです。
でもガラスならその透明度はほぼ永久に保たれます、鉄も同じ、錆びるかも知れませんが、それは使う場所の選択が正しくないだけで水周りや外部で直接雨に当たる部分以外でなら錆びはほとんど無いでしょう。どんなものでも使う以上は長く使いたいし、質感も満足できるものがいい。そうして自分で納得できてお客様にも自信を持って紹介できて、尚且つ高くないもの・・・になって最終的に輸入になりました。
もちろん全てが輸入ではありません。カナダには蛍光灯を使った照明がほとんど無いので、明るさを求める場所には日本製の照明器具、雰囲気や空間を演出する所はカナダ製と使い分けています。そして直接輸入する、これがコストを抑えるためには必要です。日本のメーカーのカタログにも輸入の照明器具は出ていますが、とにかく高い!
直接輸入する3~5倍ぐらいの価格だったりします。もちろんこれは商社が輸入して、注文したら倉庫代もかかるし、注文したらすぐにやってくるからわかる金額なんですが・・・だから直接向こうに電話して毎回注文しています。流行があったりしますし、もちろんお客様の好みもあるから在庫するのはロスになってしまいます。ただ納期がかかります!最低1ヶ月。普通は2カ月半ぐらい頂かないと駄目ですね。そして海外はどこも手形という仕組みが無いので先払い・・・商品を注文したときに支払います。価格はカナダドルで決済するので為替によって若干変動しますが、照明器具にしろ、建具や水栓金具やバスタブなど大体こっちで買う価格の半分以下。自画自賛ながらお客様にお勧めできるものですよ。いいものを安く仕入れていい家(耐久性の高い、素材感の高い無垢を使った家)を目指してたどり着いた家創りの一つの形です。