今年度後期の古材施工技術師の資格試験内容が発表されました。
厚生労働省認可 職業技能振興会主催の資格試験です
古民家の再生・移築の方法は実に多様です。
気に入った古民家を見つけたら、その場所でリフォームして暮らすか、自分の希望の場所に移築してくるかによっても変わってきます。古民家を住む所として利用するだけでなく、レストランやカフェ、ギャラリー、宿などとして利用する人も増えていますので自分にあった古民家の利用方法をまずは考えてみてください。
古民家のリフォームでは、まず建物状態をプロが評価して必要以上に壊さないように再生のための計画を作成します。そして再生の計画に沿って慎重に解体していきます。どこに使われていたものなのか1つ1つ確認しながら行う作業になるのでこれも経験ある業者に依頼するのが慣れない業者に頼むより結果的にローコストで仕上がります。
解体された古民家の古材は一度丁寧に洗浄され腐食や虫が付いた跡などを検査していきます。木の種類や状態も把握し再生する時十分にいかせるようにします。そして再度組み立てが行われます。古材はそのまま同じように使われる場合もありますが、古材の状態やリフォームの状況にあわせ削ったり切ったりして別の場所に使うこともあります。
職人の匠の技が生かされた古民家を現代の匠達がもう一度よみがえらせる非常に楽しい瞬間です。
よく古民家は高くつくという人がいますが、あながち間違いではありませんが、それは昔の技術の継承を目的にするような完全な再生を目指すからです。そういう方向性とは別に、良質な木造住宅に住みたいというのであれば、工夫を施すことで現在の新築住宅を建てるのと同じか、逆に安くすることも出来ます。自分たちが求めているものが何なのかを的確に伝えることが古民家リフォームの成功のカギです。
古民家に住みたいと言われる人が最近とても多くなっています。
雑誌やテレビでスローライフや田舎暮らしにスポットライトが当たり、現代の生活では得れない安らぎを求められる人が多くなっているんだろうと思います。古民家はそのままで住める物件も多数ありますが、逆に手を入れないと生活するには不便な物件ももちろん存在します。でもそんな建物でもしっかりとした維持管理の計画を立て、リフォームしたり、移築することで古民家の良さを十分に利用して現代人の生活しやすいようにする事が可能です。もちろん耐震に関しても現在の法律の基準に適合する形で改修することもできます。素材がしっかりとしていれば意外とコストはかからないものなんです。
古民家で暮らしたいと思ったら、まず情報の収集が大切です。
また実際に物件を見ることは絶対条件です。最近は改装をしてすぐに生活できる状態にリフォームして売り出している古民家もありますが、できれば改装する前の状態を確認し、自分たちの望むライフスタイルに合わせた間取りの変更や、信頼できる古民家のプロに建物のコンディションを確認してもらって適切な補修を行う必要があると思います。また物件の売買は個人で取引される方もいらっしゃると思いますが、ほとんどは距離の離れた人同士の取引になりますから、信頼できる不動産業者の仲介をして取引を行う方がのちのトラブルを防ぐコツだと思います。古民家の購入から再生までをサポートしてくれる信頼される業者を知ることが古民家に住むための近道だと思います。
弊社が運営している民家ねっとというサイトにも数多くの民家の情報をUPしていますので一度見てみてください
http://www.kozai.net/
こちらから民家ねっとは入れます
古民家に興味をもち、気に入った物件があったらまずは旅行気分で田舎を巡ってみるのもいいのではないでしょうか。
古民家というのはどういうものなのか、
古い日本の伝統的な建築工法で建てられた建物というのは何となく想像できると思いますが、具体的な定義というものは実はありません。
国の文化財登録制度というものでは、登録することのできるものは建てられてから50年以上経った建築物が対象になっています。古民家に使われている古材は私が講師をさせていただいている厚生労働省認可財団法人職業技能振興会の古材施工技術師の資格認定講習では築60年以上経った建物から取り出された材とされていますから、そこから推測するとだいたい50年から60年以上経った建物を古民家と呼んでいいのではないでしょうか。
また、古民家は全体を再生して建て直されることもあり、古民家を解体したり、昔の木材を使用して建てられた古民家風のものや構造をしたものも古民家と呼ぶ場合もあるようです。
古民家には、農村民家・町民民家・武家民家・庄屋屋敷などいろいろなタイプがありますが、それぞれの生活習慣を感じられる味わい深いいい住宅が全国でまだまだたくさん残っています。長い歴史を経た古民家には太い梁や大黒柱などは黒光りしていて重厚で風格ある古材が沢山残っており、価値の高い文化財だと思います。
古民家の魅力のひとつに藁ぶきの屋根があります。大きく張り出した軒の出は夏の日差しを遮り、冬は建物の奥まで日の光を届ける大変合理的な日本の気候風土に合った構造になっています。これらの沢山の昔の人の知恵の結晶が古民家なのです。
古民家に使われている古材には、ケヤキやサクラ、栗、ヒノキなど実に多様な樹木が使われています。地方によって使われる材が異なるのは全て地元で伐採された木材だからです。囲炉裏の煙でじっくり燻された古材は表面にススがつき大変味わい深い色になっていると共に防虫の効果があるともいわれています。一般に、鉄やプラスチックなどの材料は、新しい時が一番強く古くなるにつれて弱くなってしまいますが、逆に木材は、時間とともにどんどん強度を増していきます。樹齢100年のヒノキの場合、伐採されてから100年後に最も引っ張り強度・圧縮強度が増しているとの研究報告があります。木材の強度は200年~300年は変わらないといわれています。木材の強度が落ちるのは800年~1200年ほどという途方もない未来の話なのです。古民家は最近の住宅とは比較にならないぐらい良質な木材が贅沢に使われた耐久年数の長い住宅なのです。