厚生労働省が10月17日に発表した「2005年度人口動態職業・産業別統計」によると、建設業の男性の死因は自殺が約13%を占め、1495人に上ることがわかった。事故で亡くなった1101人を大きく上回っています。調査結果によると、建設業に携わる男性で、2005年度に亡くなった人は1万1566人。死因で最も多かったのは悪性新生物(がん)で4384人。二番目はその他で1750人、自殺はそれに次ぐ三番目だった。以下、心疾患、事故、脳血管疾患などと続いている。建設業の1495人は、産業別の自殺者数で最多。次に多いのが製造業の1229人。以下、産業不詳の1067人、その他のサービス業の903人、農業の813人などとなっている。
すべての死因の中で自殺が占める割合を見てみると、建設業は12.9%で全産業の平均の3.8%より9.1ポイントも高い。自殺の割合が最も高かったのは、公務員で17.8%。以下、複合サービス事業が14.6%、情報通信業と運輸業が13.3%で並び、建設業はそれらに次いで五番目だった。 一方、自殺の割合が最も少なかったのは農業で3.8%だった。以下、不動産業が3.9%、漁業が5.7%、林業が6.8%などとなっている。
自殺する方の割合の多い公務員、建設業、一方少ない農業関係…裕福かそうでないかというよりかストレスの大きい小さいが関係している数字だと僕は思います。仕事にストレスは当然ありますが、それでも心の健康を保たないといけません。ストレスも気持ちの持ちようによっては大きく変化してきます。何事もポジティブに取り組めばきっと道が開けると、そう思いながら仕事を楽しみましょう。
未乾燥の木材(グリーン材)の割れは欠陥ではない
材木屋さんでは当たり前の常識を支持するような裁判の判決が今年の7月末に下されました。
この裁判では、建て主から木造注文住宅を請け負った住宅会社が、その建築現場にグリーン材を納入した木材業者を訴えていた。納入前の見積書には「米松GRN材」という表記があったが、住宅会社は「その表記では何の意味か分からなかった」と主張、グリーン材が割れたことで生じたとする損害の賠償を求めていた。
住宅会社の主張は総額3500万円の木造住宅を個人の建て主に引き渡した後、建て主から「木材の割れる音が絶えず、不安を感じる」、「建物が緩やかに揺れ続けている」というクレームを受けた。このクレーム対策として1600万円の補修工事を実施したが、住宅建設時に割れるような木材を注文した覚えはない。この補修工事の原因はグリーン材が割れたことにあるとの事。
対して納入した木材業者は見積書には「米松GRN材」と表記しており、違う商品を納入したわけでなく、グリーン材が乾燥で割れるのは当然。多少割れても強度的な問題はない。取り替え工事は住宅会社側の過剰な対応と申したてた。
判決は7月末に東京高等裁判所で下され。住宅会社は最高裁判所に上告しなかった為結審した。
裁判所の判断によると住宅会社の請求は棄却され訴訟費用は原告の負担となった。判決の理由は住宅会社は、もともとグリーン材という言葉を知らず、木材業者から構造材にふさわしくない材を納入されたと主張しているが、それは、住宅会社関係者が建材に対する知識や配慮を欠いていたことを示しているだけに過ぎない。グリーン材が安価だが十分乾燥していない含水率が高い木材であることは建築業界の一般常であり、一般的に、木材には乾燥収縮による干割れなどが生じる。グリーン材ではより起こりやすいのは確かだが貫通割れがなければ強度上の問題はないとの理由だった。
判決は一審、二審とも、住宅会社の訴えを全面的に棄却する内容であり、材木屋とすれば当たり前の事と胸をなで下ろすとともに、住宅会社がグリーン材という当たり前の存在を知らないという事に驚くとともに、ユーザーが木材の割れる音が絶えず不安を感じるとクレームを申し立てて補修工事を行ったというのも驚きだった。
住宅がここまで工業製品的に扱われ、元来自然素材である木材がその良さを発揮できない今の家作りの方向性に対して残念に思えて仕方がない…
今回の裁判では木材が多少割れても強度的な問題はないという点を木材業者が農学関係の研究者らが提出した意見書を使い立証して、全面的に認められた判決だった。
心持ちの木材であれば、乾燥して割れるのが通常の事である
割れの大きい材ほど曲げ強度が大きい
日本の木造建築は割れの生じる木材の性質を前提に成り立っているのであり、木材に割れが生じたから強度が減退するという考えはない
木材に割れが生じたからといって構造上の理由で補修工事を行うことになることは通例あり得ない
皆さんはこの裁判についてどう思われますか…?