昨年から続いている瑕疵担保の実施など建築関係の法改正…その中で建築士法も今年11月28日から新しい制度でスタートを切ります
具体的な改正点は、
①建築士事務所に所属する建築士は3年以内ごとに定期講習を受けなければいけないこと
②建築士事務所の開設者は、所属する建築士及び管理建築士に対して建築主に対して設計・工事監理の契約を結ぶ前に重要事項の説明の義務があります
(重要事項とは作成する設計図書の種類、工事と設計図書の照合方法等です)
③新たに管理建築士となる場合には建築士としての実務経験が3年以上必要で、管理建築士講習を受講しなければいけません。またすでに管理建築士であるものも平成23年11月27日までに管理建築士講習を受講する必要があります。
④来年の5月27日以降は高度な専門能力を必要とする建築物の構造設計、設備設計に関しては構造一級建築士及び設備設計一級建築士の関与(自ら設計するか、法適合確認を行うか)が必要になります。
が大きな改正点…また4号特例廃止により、建築士が設計する建築物の確認申請で場合に省略できていた構造計算や伏図についても各CADメーカーを中心に新商品もどんどん発売されています。
より面倒くさく高度な知識が必要とされています。そのこと自体は時流の流れで仕方ありませんが、本来の家作りにおいて大切なこと、そこに住む人の思いや夢を後回しにしない、技術だけに走らない僕はそんな住宅設計を心掛けたいと思います。
詳しくはこちら…
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/200809/4.html
建築業界、不動産業界は大不況です・・・
○○工務店が危ない…
あのゼネコンが危ない…
今度はあそこが倒れるみたい…
愛媛松山の地元でもいろんな噂が飛び交い、また実際倒産する会社も少なくはありません。
多くの会社は10年や15年程度で潰れていってしまいますが、もちろん30年を超える会社さんや、親子何代にもわたって続いてる工務店さんもあります。
昨日書いた大阪にある金剛組は世界最古の企業です。
金剛組は、578年(敏達天皇6年)創業、1955年の法人化を挟んで2005年まで一族経営で代々続いた老舗。現在も寺社仏閣建築の設計・施工、城郭や文化財建造物の復元や修理等を主に手がけています。
長く続く企業、景気が悪い現在でも売り上げを守れている企業を見渡してみると
共通で感じることは、軸がぶれないということではないでしょうか。
たんたんと時代の流れに合わせて商品の方向性を変えることはあっても
大きな理念であったり、建築の方向性を変えることは無い…そういう風に考えます
一方短命に終わる企業の多くは、和風もして、洋風もして、シンプルモダンもして
今は耐震、来年は200年住宅が流行りだから取り組まないと…と
流行に合わせての変革というよりは流行に流されてしまっている気がします。
流行を敏感に感じる力は必要ですが、それに流されず、変わらないところは変えない…
そういう企業の姿勢にこそ本当のユーザーは魅力を感じるんだと思います。
大阪にある建設会社の金剛組はかって世界最古の企業で、2005年に高松建設の傘下に入るまではもっとも古く、なお且つずっと続いてきた会社でした。
金剛組は、578年(敏達天皇6年)創業、1955年の法人化を挟んで2005年まで一族経営で代々続いた老舗。
現在も寺社仏閣建築の設計・施工、城郭や文化財建造物の復元や修理等を主に手がけています。
もともと金剛組の発祥は、
578年、四天王寺建立のため、聖徳太子によって百済より3人の宮大工が招かれたうちの1人である金剛重光により創業。江戸時代に至るまで四天王寺お抱えの宮大工となりました。
593年、四天王寺創建。
607年、法隆寺創建。四天王寺と法隆寺を築いた工法は今も金剛組「組み上げ工法」として生きています。
1576年、織田信長の焼き討ちにより四天王寺焼失。
16世紀にかけて、大阪城建設や法隆寺の改築にも携わったと伝えられています。
1614年の大坂冬の陣で再び四天王寺焼失。四天王寺は戦火や自然災害のため7度の焼失と再建をくり返すが、その都度、歴代の金剛組が再興に取り組んだ。
1868年、四天王寺、寺領を失う。金剛組は試練をむかえる。
1903年、大鐘楼の建立。
1934年、室戸台風で四天王寺五重塔が倒壊。第38代棟梁で歴代初の女棟梁金剛よしえのもとで金剛組が再建を果たす。
1955年2月3日、株式会社化。創業以来の個人企業体制が終了。
2006年1月16日、高松建設傘下の新・金剛組になり現在に至っています。
まさに匠の技が1450年以上に渡り受け継がれてきた企業…私たちもこういう企業、仕事ができる会社になりたいと思います。
今日はちょっとマイナーな情報を…
家具道具室内史学会というのが10月18日に発足しました。
50年にわたり日本家具を研究してきた小泉和子会長は「家具と聞くと椅子やテーブルなど西洋のイメージが強く、日本家具には関心が薄いのが現状だ。日本家具の歴史は生活史をひも解く上で重要なだけでなく、考古学や美術史などにかかわる学問として、さらなる研究と後継者の育成が必要」と話されています。
WEBサイトによると家具道具室内史学会とは、家具・室内意匠と生活道具の歴史を研究することを目的とする学会のことで、あたらしい、これからの学問研究の分野。この分野は、家具・建築史、民俗・考古学はもちろん、文献史、美術史、技術史、社会史、文化史をはじめとしてさまざまな方向からの取り組みが可能ですし、大きな成果が上がると考えられる分野だと書かれています。
家具道具室内史学会のサイトはこちら・・・http://www.jpshift2008.org/
まだまだもちろんほとんどの人も知らないでしょうし、この学会が大きく育っていくのかも現状ではわかりませんが、日本の住文化の一つとしての家具を見直すこのような動きは、私たちの古材の普及の為の一つの後押しになってもらえたらと思います。